島根県東部地域では、端午の節句に食べる笹巻きは「三味線巻き」
笹で包むのが笹巻き、チガヤで包むのがちまきと言うそうなのですが、島根県東部地域では主に笹巻きのことを「ちまき」と言っています。
ちまきは、練った米粉を笹で巻き、湯がいたもので、旧暦・端午の節句の伝統食として日常的に親しまれています。
そのほか、田植えの骨休みや代満(田植えが終わったあとの祝い日)、7月2日の半夏などの行事のときにも食べる風習があります。
幼稚園児からシニア層まで、団子をこねて、笹で巻いて湯がいて食べるという工程を楽しんでいます。
団子を巻く巻き方はたくさん種類がありますが、今回は「三味線巻き」をご紹介します。
いぐさが縦に伸びているところから「三味線巻き」と言われているようです。
出来上がりが三味線のように見えるので美しく、また崩れにくいです。
一生懸命作った後は、達成感がありますよ。
夢中になって作ることができますので、みなさんもぜひ作ってみていただきたいです。
笹は、山に生えている木から取ってきたものです。
笹の葉や茎はスーパーでも売られています。
三味線笹巻きに必要な物
<準備する物>
こちらの分量で約32個分できあがります。
まきの粉(だんごの粉) | 1袋(750g) |
うるち米粉 | 50g |
ぬるま湯(こね具合で水の量を調整する) | 600~800cc |
砂糖 | 大さじ2杯 |
笹の葉 | 120枚 |
笹新芽葉(はだこ) | 30枚 |
茎 | 40本(予備も含む) |
い草(花の下が長いもの(40~45センチ) | 70本(予備も含む) |
こね鉢 | 1個 |
剪定ばさみ(キッチンばさみ) | 1本 |
輪ゴム | 適量 |
洗濯ばさみ | 3個(予備も含む) |
さあ、下準備をして作っていきます。
下準備をきっちりやっておくと美味しいちまきをいただくことができますよ。
三味線巻きの作り方
①大タライに水をはって、葉を押し洗いする。
②笹を洗った後はバケツに水をはって、葉は茎の部分を水につける。
③い草は湯を沸かして湯がき、くたっとなったらあげてざるにあげ、日陰で乾かす。
お住いの近くでお米を作っていらっしゃる所がありましたら、い草は、休耕田からもらってくるか、購入してください。
刈ったばかりのい草を使うとすぐに切れてしまうので、できれば昨年のを使うことをおすすめします。
④1本から葉、はだこ(新芽葉)、茎を取って分ける。
大きくて傷んでいない葉と中くらいの大きさのものとに分けておきます。
⑤茎は下から最初の節目で折る。
手でポキンと簡単に折れます。だいたい20~23cmくらいです。
後で団子に差すので、側についている皮をはぎ取ります。
⑥茎はよく洗っておく。
はだことは、若い葉のことで、やわらかく薄い葉です。この葉っぱで団子を包みます。
はだこは、開いているものもあれば、くるくるとまるまっているものもあります。それを広げて2つ折りの状態にしたものを作ります。
①はだこは1枚1枚2つに折る。
②10枚をまとめてゴムで止める。
③バットかお皿に入れて、霧吹きをかけておく。
霧吹きがなければ、手水でも大丈夫です。はだこが乾かないようにしておきます。
耳たぶぐらいの方さになるまでよくこねます。
水を含んだ団子はだいたい1300g程度になり、約32個ぐらいできます。
1個40g程度ですので、始めに分けておくと作業がしやすいです。
①こね鉢にだんごの粉とうるし米粉をいれる。
この時、一握り分ほどの粉を別にとっておきます。
粉を別にとっておくことで、型さの調整だったり、手にくっついた団子を取ったりするときにも使えます。
②真ん中をくぼませ、そこへ少しずつぬるま湯を入れていき菜箸でかき混ぜる。
箸で粉を巻き込むようなイメージで混ぜていきます。
③砂糖を入れる。
砂糖を入れることによって、食べるときに葉っぱから団子が剝がしやすくなります。
④ぼそぼそになったら、少しずつぬるま湯を加えていき、しっかりとこねていく。
ぬるま湯の量はこねながら調整してください。
最初に別にとっておいた粉を少しずつ入れ足していきます。
とっておいた粉は、団子をまるめるときに使用してもいいです。粘り気が出てきて、耳たぶぐらいの固さになるまでよくこねていきます。だいたい15分くらいです。
⑤1個40g(だいたい一握り程度の大きさ)に分けていく。
始めに、40gずつちぎっておいて、後から1個ずつ丸めておくと作業がしやすいです。
<笹巻き1本分 団子40g>
笹巻の葉 4枚
新芽葉(はだこ)1枚
茎 1本
い草 2本
①1個を形成するときは、上を太く、下になるに従って細くする。
笹の葉の形に合わせて団子を逆三角形にします。
②はだこの半分ぐらいの位置に団子を乗せて茎を差す。
はだこの上から両端を挟むようにしっかりと握って固定させます。
茎もしっかりと差しておきましょう。
③笹の葉のしっかりとしたものを3枚取り、下から上になるように順に重ねていく。
④少し小さめの葉を一番上の葉の後ろに入れる。
挟む葉は、左上、右下斜めにし、葉の裏を前にして差し込みます。
できるだけ斜めにせずに縦に近くなるようにします。
ここの挟み具合で葉の柄の出方が変わってきます。
⑤葉の上に、はだこで包まれた団子を乗せる。
半分ぐらいの位置に団子を乗せます。
⑥左側から内側に向けて包む。
⑦次に右側を内側に向けて折る。
着物を着せるようなイメージで包み、裏表にした葉の茎の部分が手間にくると思いますので、右手で左側にくるくると2回ぐらい巻きつけていきます。
右下、縦に近い斜めから入れた葉がアクセントになりきれいな葉っぱの柄を作っていきます。
⑧巻きつけたところがほどけないように洗濯ばさみで止めておく。
⑨い草を2本手に取り、穂がついている方を左にして頭を揃えておく。
⑩3枚の笹の葉の頭の部分を折っていく。
左上から内側に、右上から内側に折っていき、とがった三角を作ります。
⑪い草を2本取って、葉の上に左下から右上方向に乗せる。
⑫上部にある笹の三角を右下手前へい草を巻き込むように折り込む。
⑬さらに上部を下に折り込んでいき、上部が水平になるようにする。
頭を水平にすることでしっかりと固定させることができます。
⑭右に葉の端が出てくるので、先端を手前から2回巻きつけ、い草を下に引っ張る。
⑮引っ張ったい草を茎と茎の間に通してから葉の根元の部分で2回巻く。
⑯巻きつけたところを親指で押さえて輪を作る。
⑰い草の先端を下に引っ張ったい草の下に通して、輪の中に入れて縛る。
この作業でしっかりと止めることができます。
⑱い草の余分な長さを切り取り、茎の先端も約5cmぐらいの長さで切りそろえる。
完成した笹巻の10本の束を作ります。
①上部の耳が外側にくるように10本を束ねる。
②10本をひもでしっかりと縛って固定する。
③深めの鍋にお湯をわかす。
色よく仕上げたい時は沸騰したお湯に炭酸をほんの少し加えます。塩を入れる方法もあります。
④10本の束を入れていく。
鍋にはぎっしりと入れずに少し余裕を持たせます。
湯がきあがると横になるので、それが仕上がりのサインです。
⑤20分湯がく。
この時間を守ると美味しいちまきが出来上がります。
⑥くたっとなって倒れてきたら取り出し、ざるにあげる。
まとめ
島根県東部地域の独特の巻き方「三味線巻き」の作り方でした。
あたたかいうちに、砂糖醤油につけて食べたり、きな粉とお砂糖につけて食べたりします。
最近は、黒ごま・アーモンド・きなこなんて物が売れています。
これにきび砂糖を入れて混ぜたものにつけていただくと、アーモンドと黒ごまの香ばしい香りと美味しいきな粉との相性が良く、めちゃくちゃ美味しいです。
ぜひ試してみてください。